解説『ニューアース』 はじめに

当サイトでは映画について色々書いてきましたが、 洋画ばかりだったのでたまには邦画についても書きます。

邦画といっても黒澤映画やらゴジラやら男はつらいよやら色々ありますが、 今回は私が好きな2作品について、感想文にも満たない記事を書いていまいります。

どちらも中学生の頃にテレビでやっていたのを見たのがはじまりで、 十数年経って見返してみたら、役者の演技も素晴らしくテーマ曲もキャッチーで、 ともかく面白かった作品であります。

塀の中の懲りない面々(1987)

まずはこれ。中学生の頃見ても面白かった作品。

有名なので説明の必要はないでしょうが、 若い方々に一言で説明するならば「『刑務所の中』を面白おかしくした作品」 「ちょっと『幸せの黄色いハンカチ』が入っている作品」 という風になります(ちっとも説明になってないじゃないか)。

登場人物は「懲りない面々」というより「少々抜けた愉快な面々」ばかりで各人のエピソードは面白く、 山城新伍演じる悪徳刑務官も 「ここではイジメが人を成長させるんだ(だからお前をイジメてやる)」 みたいな下衆な台詞を主人公に吐くのですが、

別に刑務官複数でリンチをするわけでもなく、 それどころか部下を全員部屋の外に出して一対一でやり合い、 結果返り討ちにされるといった感じで、 何とも言えない雰囲気が作品全体に漂っております。

ただ、柳葉敏郎演じる共産主義者は 自分を「公共の敵」だと認識していない点で真の悪人だと思うし、 懲罰房でケーシー高峰が語る身の上話は、隣の房で聞いていた主人公同様 こちらも思わず泣きそうになってしまいます。

こんな笑いあり涙ありの本作ですが、中学生の私は何を勘違いしていたのか、 ラストシーンで主人公の藤竜也が懲罰房の鉄格子を掴む時、 その表情はしかめっ面だとずっと思っておりました。

それが20年近く経って見返してみたら笑顔だったので、 人間の記憶なんてアテにならないと思うとともに、 やっぱラストは笑顔だよなあ、笑顔だからこそ名作なのだろうと 感心した覚えがあります。

最後に、本作のWikiを見たところ、本作の公開当時は二本立てで、 同時上映はあの三船敏郎が出てくる『男はつらいよ知床慕情』だったとのこと。

こちらは確か小学生の頃に見て、三船の告白シーンは今でも覚えているのですが、 昔の映画産業は豪華だったのね、今こんな二本立てやるなら絶対見に行くわとビックリした次第です。 (まぁ私の子供時代はあまり芳しくなかったので「昔は良かった」などとは口が裂けても言えないが)

マルサの女(1987)

お次はこれ。伊丹映画で一番好きな作品。

初めて見た中学生当時は税金の誤魔化し方とか知らなかったので、 エロシーンが多い駄作だと思っていたのですが、 税金の誤魔化し方はおろか、利益の水増し方法や税務署対応、 銀行対応など色々分かってしまった後に見ると、とても他人事とは思えない映画となりました。

この辺の税務や会計がサッパリ分からない人にとっては本作はあまり面白くなく、 『ミンボーの女』や『タンポポ』の方が面白いかもしれません。

※正直に言うと、私は『お葬式』だけは全く面白いとは思えなかった。 葬式会場で愛人とやるのが面白いのか、弔電を配達する局員が井上陽水なのが面白いのか、 ただ葬式の流れを描いた作品が一体何でヒットしたのか今でも分からない。

上記の『塀の中』同様、未見の人のためにあまりストーリーに触れるようなことは書きませんが、 この作品を十数年後に見返して分かったことは、 山崎努が飲んでいた酒がジョニーウォーカースウィングだということ。

ドンキで3千いくらで売っている酒なんて飲まずに、 金持ちなんだからもっと良い酒飲めよと思ってしまったのですが、 あのボトルは視覚的に面白いし、当時はジョニーウォーカーも高かったのかもしれません。

※余談だが、初めてジョニ黒が日本で販売された時、 値段は新卒の給与2ヶ月分、現在の価値で1本40万円程度だったとのこと。 私は大阪時代にジョニ黒をよく飲んでいたので、 毎月少なくとも400万円分を飲んでいたことになる。ヒエ〜

しかしこの映画、当時は景気が良くて「公務員になる人間は負け組」なんて風潮があったから ヒットしたのかもしれない(劇中でも津川雅彦が月給三十何万だと言っていた)、

景気が良ろしくなく公務員叩きの風潮が強い現在に公開したら 「税金で食っている公務員が何事だ!」なんて的外れな苦情が出てきそうだし、 今なら宮本信子や津川雅彦よりもむしろ山崎努や伊東四朗の方にシンパシィを抱く人間の方が多いかもしれない。

ちなみに私は、本作で言及されている国税についてはどちらでも良く(そりゃ無い方が良いけど)、 むしろ問題なのは、高いくせに見返りが全く無い国民年金および厚生年金の方だと思うし、 年金制度や源泉徴収制度なんて廃止してしまえ、 国民は自分で確定申告できるくらいには賢くなれよと常日頃から思っている次第でございます。

ジブリと北野映画

以上、2作品について思うことをダラダラ書きましたが、 おまけでジブリ作品と北野映画についても簡単に触れておきます。

ナウシカは丁度ラピュタが公開された頃、小学校低学年のときにビデオで初めて見たのですが、 話が暗い上に長くて全く面白くなく、途中で見るのをやめてウルトラマンに変えた記憶があり、

逆に映画館で見たラピュタはすごく面白くて感動した覚えがあります。 (公開当時は「天空の城ラピュタ」というカルピスソーダみたいなジュースも売られていた。 本編の絵ではなく宮崎監督の直筆イラストが描かれており、 メロン味といちご味があったような気がする)

というわけで、ジブリの最高傑作はラピュタであり、その他の作品については、 千と千尋くらいまでは一応見るには見たけど、どれも「そこそこですね」といった感じです。

あと、北野映画での一番は『キッズリターン』ということにしているのですが、 私がおセンチ(死語)な性格のためか、実は『Dolls』が一番好きだというのは ここだけの秘密だよ。

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