解説『”超速読”知られざる受験勉強法』その3

前回の記事

前回は「ジョイント速読法」がいかに優れているか、 そしてそのおかげで私が東大に合格したことまでを書きました。

今回は、前回の最後あたりで少し触れた 「識力」について書いてまいります。

成績の良し悪しは識力次第というか、 受験に限らずあらゆる分野において識力が無いと話にならないので、 本書に限ったことでなくきちんと身につけましょう。

これはひどい

識力については3章から始まるのですが、この3章、 「識力」に入る前になぜか高校教員に対する罵詈雑言からはじまります。

「優秀な人間は皆給与の良い民間に行くので、学校の教員なんて”残りカス”ばかり」 「真剣に生徒の将来を考えてくれる教員なんてまずいない」 「こんな残りカスに自分の将来任せたら人生おかしなるで」

などといったことが数ページに渡って書かれております。 (ちなみに本書は共著だが、著者の一人は東大卒である)

確か、これを初めて読んだ現役当時は 「そうだ!!その通りだ!! 俺の成績が悪くてQ大に行けなかったのも、みんな無能な先公共が悪いんだ!!」 などと激しく同意して興奮した覚えがあるのですが、

今読み返すと、何でこんな酷いこと書くんだ、 何もそこまで書かなくてもいいじゃないかと思うし、

私の高校時代を鑑みれば、全国の高校生の半分以上は、 その「残りカス」にも満たない人間ではないかというのが、正直な感想です。

外れ教員
私が書いたと思われるのは心外なので、証拠を載せておく。

識力とは何だ

気を取り直して「識力」について。

簡単にいうなら「パッと見てパッと分かる能力」もしくは 「専門用語をきちんと説明できる能力」のことで、速読のみならず、知識取得のためには 必要不可欠なものであります。

適当に例を挙げると、

こういった専門用語をパッと見て分かるようだったら、 受験参考書も速読できるようになるし、

「これこれこういうことですよ」と(できれば他人に) 説明できるようになれば、成績も上がるのは明白ではないでしょうか。

識力の付け方

では、識力を付けるにはどうすれば良いか。

本来ならば一つ一つ理解しながら丁寧に覚えていくのが一番なのですが、 受験という1年間ではそうもいってられないのが実状です。

なので、全部暗記してやろうとか、深く意味を考えてやろうとか、 そういうのはすっ飛ばして、 速読によって全体を何度も何度も眺めることで丸暗記しちゃおう というのが本書の主旨であり、

要するに、九九を覚える小学生やお経を覚える婆さんみたいな感じで 「意味は分からんで良いから、速読を活かして何度も繰り返せ」 ということでございます。

意味は勉強していく中で理解していけば良い (こちらも速読を使うので早く済む)ということで、

「その分野における専門用語の全体を掴む→学習していく上で意味を理解→専門用語の全体を…」 の繰り返し、という流れになります。

本書には、 「チャートの巻末索引を拡大コピーして、毎日勉強を始める前に速読で眺め、 (速読で)勉強を進めていきながら分からない用語を一つ一つ潰していく」 という例が書かれています。

別にチャートじゃなくても自分が使う問題集でOKだし、 数学に関する専門用語が羅列されたサイトでも良いのですが、 やっぱり自分が読んでいく参考書なり問題集の方が、 受験に限定されているので効率が良いと私は思います。

あと、巻末の索引を眺めるというのは、別に受験に限ったことでなく、 資格試験とかでも使えるので、興味ある人はやってみてください。

本書には数学、物理、化学の参考書が具体的に紹介されているのですが、 自分が好きなのを使えば良いと私は思います。

次回に続く>>

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