本書の効果 解説『The Power of Now』

前回の記事:日本語版と異なる前書き

前回は、本書の前書きの後半部分がいかに改ざんされているかを書きました。

この改ざんが果たして良いのか悪いのか分かりませんが、 私的には原書を読む良いキッカケになったのでまぁ良かったし、

内容の改ざんや、妙ちくりんな訳になっているのは紛れもない事実なので、 著者の言わんと欲することをダイレクトに感じたい人は、 Kindleとかで原書を買って読んでください。

今回は、本書の効果について。

これは本書に限ったことではありませんが、一応書いておきます。

本書の効果

本書の前書きにあるように、著者は苦しみの状態から脱却したとのことで、 「苦しみから脱却して幸せになる」が本書の効果の一つであることは、 まず間違いありません。

そこで、今苦しんでいる人、特に切羽詰まっている方々の中には 「この本を読んだら絶対に幸せになれますかぁー!?」 と、すごい勢いで聞いてくる人がいらっしゃるでしょう。

それに対する回答は「絶対なれぬ!」であります。

これは「絶対なれる!」の聞き間違いでも、 ましてや某動画のネタでも何でもなく、

「無意識状態に陥って、頭で考えて理解しようとする限り、本書なんか読んでも無駄」 ということであります。

どういうことかというと、本書の1〜3章あたりに繰り返し書かれているように、 「思考=自分」と同一化して思考の奴隷状態(これが人類が陥っている「無意識状態」) になっているから苦しみが生まれるのであり、 苦しみの度合いが酷い人というのは、それだけ思考の奴隷状態、 無意識状態になっている度合いが酷いといえます。

そんな状態で本書を読んでも、100人中99人は字面を眺めて頭で考えたり 字面を記憶しようとするだけで、結局思考の奴隷からは脱出できず、何も変わりません。

※しかもそういう人間に限って、 「救済を未来に求める」という一番やってはいけないことをやってドツボにハマる。

いや、何も変わらないならまだマシな方で、考えるだけ考えて、 ますます思考の奴隷状態、無意識状態を強化するのがオチではないでしょうか。

これは本書に限ったことでなく、ニューアースでも同じだし、 引き寄せ本なんかでも全く同様です。

なので、本書を読むにしても、「ああ、オレは今、思考の奴隷になっているな」 「人生には『今』しかないのに、オレは救済を未来に求めているな」とかいって、 自分の状態について観察なり気付きなりしながら読まないと、 本書の効果がないどころか逆効果になると、あらかじめ注意しておきます。

※本書にある通り、できればインナーボディを感じながら読んだ方が良いが、 それはある程度気付けるようになってからで良いかもしれない。

でも伝達手段は言葉のみ

以上のようなことを書くと、 「頭を使う、考えることが苦しみを生み出しているのならば、 何でわざわざこんな本を読まなきゃいけないのか」という話になります。

これについても本書にある通りで、 思考は生きていく上で必要かつ便利なツールなのですが、 そのような便利なツールでも、使い方を間違えると大惨事になるということであります。

要するに、「思考自体が苦しみを生むのでなく、 『思考の使い方を間違えて思考に乗っ取られること』が苦しみを生む」 ということで、

上手く使えば役に立つけど扱い方を間違えたら大惨事になるのは、 火や包丁や車やダイナマイト等だけでなく、思考も全く同じで、 思考の正しい使い方が書かれているのが本書であります。

また、この世界において一番有効かつ確実な伝達手段が、 言葉という限定的、不完全な手段しかないのも一因でしょう。

本来ならば『シッダールタ』のラストにおいて、 シッダールタがゴーヴィンダに見せた?風なことができればベストなのでしょうが、 そんな能力がある人間およびそういう能力を受信できる人間は殆どいないので、 仕方なしに言葉に頼っているのが現状でしょう。

なので、本書においても言葉の枝葉にこだわらず、 言葉の裏にあるニュアンスというか本質を、思考なり感覚なりで掴んでいけば、 言葉という限定的で不完全な手段を補完していけると私は思うのですが、 この辺は各人の言語能力や直感力によりけりかもしれません。

以上、短いですが今回はここまで。

悟りを開くと人生はシンプルで楽になる:効果まとめ

1章から10章までの構成に続く。

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