10章:無意識から選択へ 解説『The Power of Now』

前回の記事:10章:お手上げ

前回に続いて今回も10章。

本来は1つの記事にまとめていたのですが、 長くなったので2つに分割しました。

本書の最終章最終節は「無意識から選択へ、そして許し」 がラストテーマとなっております。 (私的にはニューアースのラストの方が好きかな)

無意識から選択へ、あと許し

まず、ここでいう「選択」とは以下の通り。

Choice implies consciousness - a high degree of consciousness. Without it, you have no choice. Choice begins the moment you disidentify from the mind and its conditioned patterns, the moment you become present. Until you reach that point, you are unconscious. This means that you are compelled to think, feel, and act in certain ways according to the conditioning of your mind.

「今に在り、マインドの条件付けや惰性に操られていない意識的な選択」こそが「真の選択」とのことで、 「友人がDV男とばかり付き合うのだが、何でそんな選択をするのか?」という質問には

と筆者は回答していて、対策としては

Present-moment awareness creates a gap not only in the stream of mind but also in the past-future continuum. Nothing truly new and creative can come into this world except through that gap, that clear space of infinite possibility. (ヘボ訳:「たった今、在る」という意識や気付きが、思考や感情の流れにgapを生じさせるだけでなく、 「過去−未来」という頭で作り上げた連続性にもgapを生じさせる。 無限の可能性をもつ空間であるそのgapを通して、 真に新しいものや創造的なものがこの世界にやってくる)

ということで、 人生において過去から続く惰性を断ち切りたいならば、 まずは自分が惰性を繰り返していることに気付き、 意識を「今」「存在」に移行させましょう。

※この気付きについては、ある日突然「自分には選択肢があるんだ!」 となってしまうというのは4章5節で説明した通り。 ただし「選択=外部の状況をコントロールすること」ではない! 月並みで引き寄せ的な表現になるが、「外部に意識を向ければ外部に囚われて無意識状態となり、 内部に意識を向けて選択すれば自然と外部も整う」ということ。

また、「許し」については、

と、「今」に在り、源やUnmanifestedといったものとつながれば、 頭の中で作り上げた「過去」という牢獄から抜け出すことができ、 自分がやられたこと、やったこと、「被害者加害者のドラマ」なんてものは、 依然記憶には残っているかもしれないけど、 もはや私を脅かすものではなくなるということです。

※以前ニート脱出の記事に書いたけど、 私も右半身に後遺症が残るほど親に虐待されていたものだが、 それについても今はそんなに「私であるもの」には影響しなくなった。

そして、上記のように気付く方法としては

When you surrender to what is and so become fully present, the past ceases to have any power. You do not need it anymore. Presence is the key. The Now is the key. (あなたが「今、そうであるもの」に対してお手上げ状態となり完全に今に在るとき、 過去は力を持たなくなる。あなたはこれ以上過去を必要としなくなる。「存在」「今」こそが鍵である)

で、やっぱり「今に在る」「お手上げ状態で抵抗をなくす」が全ての鍵です。

※この辺は4節の病気と全く同じで、 「今に在る」ことにより頭で作り上げた「過去のしがらみ」を断ち切ることができる、 ということ。

そして、最後に

(質問者)How will I know when I have surrendered?

(著者)When you no longer need to ask the question.

というオチがついており、当節に限らず本書全体にいえることですが、 もはや頭で「どうしようこうしよう」などと考えなくなったとき、

自分の拠り所となるのは、著者でも本書でも自分の頭の中でもましてやこんなサイトでもないことが 分かったときこそが、思考の檻から脱出した(≒悟った)ことである、というわけです。

これらについては本章2節にある通り、ただ本書を読んでみただけでは 「本や映画の中の話」なのですが、 たった今、実践して実際に思考の檻から脱出してみるとたちまち「生きたリアリティ」となり、 いかに周囲が思考パターンに操られて選択肢を失ったロボットかというのが実感できます。

ただし、「俺は目覚めた人間だ、お前らとは違う」 などという思考にアイデンティティを見出していると、 たちまちエゴに囚われ、思考の檻から脱出する前より酷い有様になるので、 その辺観察および注意しなさいというのはニューアースに書かれている通りだし、

そういうロボット人間達に対する反応は憎しみや敵対ではなく、 同情や憐れみであるというのは、本章にある通りです。

総括

以上、1章から10章まで適当に解説してまいりました。

本書を簡単にまとめると、

こんな感じとなります。

さて、完走した感想ですが、 本書を読んでもワケが分からず居眠りしていた頃とは理解度がケタ違いになっていてビックリしたし、 正月に立てた「今年は『The Power of Now』の解説をやるぞ」という目標を一応達成できたので嬉しかったです。

まぁ本書はニューアースよりも英語が平易なのでそこそこ読みやすかったし、 中身もニューアースで散々やってきたことなので、記事にするのは楽といえば楽でした。

ただ、長いのでいささか疲れたし、 特に最後らへんは端折ってグダグダになりました。

本書についてはまだ1回目であるし、 ゴチャゴチャ詰め込んだ割には書いてないことも色々あるし、 何より、副読本である『Practicing The Power of Now』を未読なので、 次回はそれを読んだ上で、あらためて書くことにいたします。

しかし、「楽して大金ゲットしよう」「楽して幸せな人生を送ろう」などという 浅はかでエゴ丸出しな動機から引き寄せなんかに手を出した結果、

東大卒業時に「もう英語は懲り懲りだよ〜」「英文なんて二度と読むものか」 などと思っていた私が、英語の本を何冊も(しかも自ら購入して)読む羽目になるとは、 一体誰が予想したでありましょうか。

運命とは奇妙なものだと思うと同時に、 「怠惰を求めて勤勉に行き着く」は株取引だけでなく 引き寄せ等でも同様かもしれないと思う今日此の頃でございます。

今回はこれにてオシマイ。

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