全訳と用語解説:解説『般若心経』

前回の記事:羯諦羯諦波羅羯諦

今回で般若心経の解説も終わり。

何を書こうかと迷いましたが、書きたいことはあらかた書いたので、 今一度全文およびその訳を載せるのと 雑談くらいで良いだろうということで、そのようにいたします。

興味が湧いたら般若心経やその他の仏教解説本を読めばよいと思いますが、 やっぱこういうのは他人の意見を鵜呑みにしたり、 他人の意見を押し付けられるのではなく、 原文だけ読んで自分の頭で考えるのが一番ではないか、と私個人は思います。

※これは仏教に限ったことでなくキリスト教でも同じ。 ユダヤ教やイスラム教は知らん! まぁ、「知らん」とか言いながらも、タルムードのさわりだけは読んだことあるし、 あと何故かアル・クルアーンを持っているのだが。

アル・クルアーン
本邦初公開?のアル・クルアーン。本場サウジアラビア製である。 日本と同じ右綴じ右開き。
アル・クルアーン中身
中身。人物画の代わりにミニアチュールが発展した地域だけあって綺麗。 文字だけなら所々分かるけど、アラビア語の文法までは知らないのでサッパリ分からん。

そんなわけで、まずは般若心経全文とその訳。

もちろん、訳は私の勝手な解釈も含んでいるので、 「ちょっとズレてるかな」と思えば、 自分の頭で考えて自分に合う訳および解釈を見い出せばよろしい。

般若心経:全訳

仏説摩訶般若波羅蜜多心経
「仏が説いた偉大な智慧修行の本質を抜粋した経」

観自在菩薩行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄
「観自在菩薩が智慧の修行を極められたとき、 五蘊は全て空であると見抜かれ、一切の苦厄を超越された」

舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識亦復如是
「サーリプッタよ、色は空に他ならず、空は色に他ならない。 色はすなわち空であり、空はすなわち色である。 残りの受、想、行、識も色と同様である」 ※全宇宙の端から端まで、全てはニュートラルなエネルギーフィールドである、ということ。

舎利子 是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減
「サーリプッタよ、全ては空(という有様)であるから、 生まれることも滅することもなく、汚いもキレイもなく、増えることも減ることものないのだ」

是故空中 無色無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法 無眼界 乃至無意識界
「これゆえ空の中では五蘊は無く、目耳鼻舌も身体もマインドも無く、五感も法則も無く、 目で見える世界も頭の中の世界も無い」

無無明亦無無明尽 乃至無老死亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得 以無所得故
「無明から老死までの十二縁起なんて無いし、 無明が消えたり(無明が消えることで)老死が消えることもない。 四諦なんて無い。何かを知ったり得たりすることも、所有することもないゆえ」 ※ここまでの記述を実感できないのは、 個人個人のニュートラルでない思考、つまりエゴが介入するから。

菩提薩タ 依般若波羅蜜多故 心無ケイ礙 無ケイ礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想 究竟涅槃
「菩薩は(今まで述べてきた)智慧修行を依りどころとするので、マインドに拘りが無く、 拘りが無いゆえ恐怖も無く、一切の下らない考えから遠く離れて涅槃に至るのである」

三世諸仏 依般若波羅蜜多故 得阿耨多羅三藐三菩提
「三世諸仏は(今まで述べてきた)智慧修行を依りどころとしたので、 この上ない智慧を得たのである」

故知 般若波羅蜜多 是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪
「ゆえに知るべし、般若波羅蜜多とは大神呪であり大明呪であり、無上の真言であり 比類なき真言である。一切の苦を除き、真実にして虚ならず。よって般若波羅蜜多の真言をとなえよ」

即説呪曰 羯諦羯諦波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶 般若心経
「即ち、真言をとなえて曰く、ギャーテーギャーテーハーラーギャーテーハラソーギャーテーボーディーソーワカ、般若心経」

覚えておいた方が良いかもしれない用語解説

以上、全訳の通り、般若心経の意味を正しく理解することにより、 「一切皆苦」から「涅槃寂静」へと移ることこそが、 般若心経の役割といえるのではないでしょうか。 (般若心経というより仏教の役割だな)

そんなわけで、突然ですが、 最後にちょっとした用語解説をします。

wikiを読めば分かる内容だけど、 字数稼ぎにもなるしまぁいいじゃありませんか。

まず、『ブッダ』のラストにも出てきた「三宝」で、 三宝とは「仏(悟りを開いた人)」、「法(教え)」、 「僧(サンガ、修行集団、パープルサンガの元ネタ)」 という、仏教徒が大事にするべきの3つのこと。

ただ、サンガなんて大事にすると大抵の場合カルト化するし、 集団行動大嫌いな私的には、 三宝なんかよりも「自灯明、法灯明」の方が好きだというのは以前書いた通り。 (まぁ、身体的な集団ではなく、あくまで精神的な集団だというなら、 私でもOKかもしれない)

次に、三宝とよく似た「三法印」という(大乗)仏教の根本理念を示す用語で、 意味はそれぞれ

という、至極当たり前の内容であります。

これに「一切皆苦(色受想行識は全て苦、生きていること自体が苦)」 が加わって四法印になるとのことですが、

一切皆苦だけ思考に囚われた状態について述べており、 何かズレてるというか、単に真理を述べている他の3つと毛色が違うので、 私的には三法印で良いと思います。 (「全ては思い通りにならない」は、真理といえば真理だが)

こんな感じで用語解説および今回の解説はこれにて終了。

気が向いたらまた何かの解説やるかもしれないけど、 短い般若心経ですらこれだけ手間ヒマかかったのでもう御免こうむりたいし、

(新約)聖書関係は仏教より危険度が増すから無理であり、 冒頭の「アル・クルアーンの解説しろ」という声があるかもしれないけど、 それこそ色々な意味で無理な話であります。

いったんオシマイ。

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