「理想」は幼稚でインチキ:感想『ガンガジとの対話』

前回の記事:「魔法という希望」を捨てられるか

今回も『ガンガジとの対話』について。

前に言ったように、本サイトは全部で60超の対話があるわけですが、 その全部について感想文を書いていたらキリがないため、 キリのよいところで切り上げようと予定しております。キリだけに。

まぁどの対話についても結論、指し示しているところは皆同じだし、 賢明な読者の方ならそんなの読めば分かるだろうから適当でええやろといった感じです。

無条件に自分を愛するにはどうしたらよいでしょうか?

そんなわけで今回の話題はこれ。

http://gangaji.jugem.jp/?eid=42

相談者は昨年子宮癌の手術を受けた際に医療ミスで死にかけたけど 生死の境にあって全くの平安でいることができた、 ところが命が助かって退院したら元に戻ってしまったので、 何とかしたいというお話。

ガンガジ:すばらしい質問ですね。 完璧でないときにも、自分自身を愛するにはどうしたらよいか。とても重要ですね。 会場の皆さんには、いかがでしょう。重要ではありませんか?(笑い) 無条件に自分自身を愛するにはどうしたらよいか。

質問者:そうです。

ガンガジ:それではうかがいます。どうしたらよいでしょうか?

質問者。。。。。。。。

ガンガジ:あなたご自身の深いところに問いかけてごらんになると、 どのような答えがあらわれるでしょうか?

質問者:まずは、、、、 今いるところに止まり、そして、何が起きているかを観て、 それから、何が真実であるのかを問いかけて、、それから、、、、

ガンガジ:そうですねえ。それは、ちょっと複雑すぎませんか? もっと、単純な答えは何でしょう。

質問者:深い静けさの中に、ただ居て、何もかもが大丈夫だということを観る。

ガンガジ:もしかすると、もっともっと単純かもしれませんよ。 

質問者:ウ〜ン。 なんだろう?。。。。。。 え〜と。 何も思い浮かばない。。頭が真っ白になってしまって、、。(笑い)

ガンガジ:そう。この、今の瞬間です。 あなたは、何もしていませんでした。 自分のマインドを観ることもせず、息をすることも、 考えることも忘れてしまった一瞬がありましたね。

質問者:(笑い)それはそうですが、、、私は、、え〜と、え〜と、つまり、、、、、。 単純だとおっしゃるけれど、私の頭の中には、考えがすぐに戻ってきてしまいます。

ガンガジ:それではね、いかがでしょう。 あなた自身をいつもかわらず愛さなくてはならないなんて、どこのどなたがおっしゃったのでしょうか? あなたのご主人を、いつも、どんなときも愛していらっしゃるのかしら?

質問者:いいえ。それは、そうではありません。

ガンガジ:そうでしょう? ご主人を嫌いな時っておありではありませんか?

質問者:はい。

ガンガジ:嫌いな時は、嫌えばいいんです。 あなたご自身のことがお嫌いなように。(爆笑)

質問者:それをうかがいたかったんだと思います。

ガンガジ:でもね、彼を愛していらっしゃるでしょう?

質問者:はい。そのとおりです。

ガンガジ:あなたは今ね、感情というレベルのことを、ここでお話なさっているのです。 感情は感情でしかありません。 天気と同じで、移り変わります。 感情を感じているときは、真理を感じていないわとおっしゃるかもしれませんが、 感情よりももっともっと深いところに、真理、真実があります。 感情がどうあろうと、あなたがどのように感じていようと、真実は存在し、変化することがありません。

ある感情はとても心地よいものですが、中には、とても居心地の悪い感情もあります。 でもそれは、気候とおなじです。心地よい天気もあり、全くそうではない天気もありますよね。 人間と呼ばれるこの動物の感情を、感じることを許してみてはいかがでしょう。 感情がどのようであれ、もっともっと深奥の核心に、命の炎、真実があります。

というわけで、

ということで、どう考えても、自分の体験からも、そして思考や体験を超えたところでも、 これが真実であることが理解できるし、

「そんなことはない!いつも自愛していれば良いものが引き寄せてハッピーになれるんだ!!」 なんて言っている人間も、実のところ言った通りになっていないし、 心の奥底、潜在意識()レベルでは「そんなものはない」ということが分かっているはずです。

「理想」は幼稚でインチキ

続き。

質問者:常に完璧でいたいという女の子が、ここにいるんです。

ガンガジ:そうですね。その子は、どこにいるのでしょう?

質問者:作りあげられた、偽物です。

ガンガジ:あなたがおっしゃる完璧さは、どこからやってきたのでしょうか?

皆さんは、イエスが完璧だったと思われますか? 私たちが教わってきたように、まったく完璧だったのでしょうか? いいえ。そうではありません。 あなたのまわりに、 彼のことをよく知っていた女性たちと同じような女性たちがいらっしゃるでしょう。(笑い)

ブッダはどうでしょう? 彼の奥さんと子供に聞いてみたらいかがでしょう? みんな捨てて出て行ってしまいましたよ。(笑い)

ラマナは完璧だったでしょうか? お兄さんに聞いたらおわかりでしょう。 お兄さんのお金を盗んで家出をしたのですよ。

ですからね、私たちには、完璧という概念があるんです。 先ほど、理想について話がありましたが、とても危険です。幼稚だからです。

私たちは、理想像を心に思い描き、それをめざしてがんばりますが、 理想をつかみとることはできません。 なぜなら、理想像とは、作り上げられたもの、偽造されたものだからです。

私たちはどうあるべきか、彼らはどうであるべきか、 あれや、これは、どうあるべきか、 神とはどうであるべきか、 というように、理想像を追いかけて躍起になっていると、私たちの人生は、 どんどん、どんどん小さく狭くなっていきます。

理想化は、誤りです。 あなたの人生を盗み取ってしまいます。

理想像は、あなたの知識が作り出しています。 『どういうふうであるべきかは、私がよく知っているわ』 『どういう私であるべきかは、私がちゃんと知っているわ』 『こういう場合に、こんなふうに感じるべきではないことはちゃんとわかっているわ』 『もし私が悟っているのなら、こんなことを考えるはずがないわ』という具合ですね。(笑い)

どうでしょう。 とっても重いでしょう?

上記の通り、「理想」などというものは頭の中でデッチ上げられたインチキであり、 そんなものに拘っていては碌なことにならないし、 酷いケースになると個人の人生だけでなく、共産主義という「理想」のために 何千万人という人が死ぬ羽目になったというのはニューアース等に書かれていた通り。

また、この「理想」というヤツは、将来に向かってだけでなく過去に対しても同様で、 「失われてしまった夢を手放してごらんなさい(http://gangaji.jugem.jp/?eid=58)」 という対話の中に

ガンガジ:いつも過去を見ながら、過去のあなたの夢を追いかけている必要はありません。 過去のあなただって、あなたが思っているような彼女ではありませんね。 過去の彼女は、単にあなたがあなたの都合で覚えているあなたでしかありません。

質問者:全くおっしゃる通りです。

ガンガジ:これらすべてのことは、ある日の午後にあなたが描いた絵と同じです。 そしてそれは、見つかって燃やされてしまいました。

質問者:私が覚えている過去の彼女は、 実際の彼女よりもずっと素敵だということに、今気づきました。

ガンガジ:そのとおり。過去の彼女は、理想のあなたですね。

質問者:はい。

ガンガジ:実際には存在しないのです。

とある通りなので、興味があるなら読んで頂戴。

※ちなみに、理想が頭の中だけのインチキと同様、 苦しみも頭の中だけのことだというのは今まで散々書いてきた通り。

で、最初の話に戻ると、「常に自分を愛する状態」「常に良い気分でいる状態」 なんていうものは、これまでに述べてきた「理想」そのもので、 いかに幼稚でインチキなものかお分かりでしょう。

やれ「自愛」だの「理想を叶える」だの世迷言を言ってる自称スピリチュアルティーチャーの皆さん、息してる?

本当に辛くて愛されたいのは他ならぬ自分自身やろ?正直になってええんやで(ニッコリ

お手上げ

と、余計な挑発はさておき本題に戻る。以下は解決策みたいなもの。

先ほど私が、あなたのご質問をあなたに問い返したとき、 『いったい、なんと言っていいのか、さっぱりわからない』 というその一瞬がおありだったようにお見受けしました。

どうすべきかわからず、どんどん突き詰めていかれたけれど、まったくわからなかった訳ですよね。 その瞬間は、完璧ではない瞬間でした。

もちろん、私たちの頭の中には、どうするべきか、 どうすれば完璧か、という概念が刷り込まれていますから、 当然、考えはすぐにわき起こってくるでしょう。 「そんなものは、もう私の中にはないのよ」 と言ってみたところで、わき起こるものは、わき起こるでしょう。

しかし、その瞬間、「どうしたらいいのか、さっぱりわからない、何がなんだか、わからない」という、 そういう不完全さを、ご自分に許し、分からないままでいる。完璧でないままでいる。 まったくお手上げの状態、完璧になりたいけれど、ほんの少しも希望がないままでいる。

そうすると、いかがでしょう。 重荷がなくなりませんか? とっても自由ではありませんか?

その瞬間は死に直面する瞬間です。 決して死なないという、あなたの肉体の理想。それがなくなったなら、残るのは死です。 平安ですね。

私たちの思考は、常に『それ』をつかみ取ろうとします。 真実、平安、愛、、何と表現してもかまわないのですが、 『わかっているわ、無限でしょ』という具合にです。(笑い) けれども、どのような考えも『それ』を封じ込めることなどはできません。

ですから、すべて忘れてしまってごらんなさい。そうすれば、瞬間的に自由になります。 生き生きとするでしょう。

目覚めは、あなたの考えや概念、知識や理解など、脳の行為から自由なのです。

私が申し上げているのは、要するに「あなたの考えを信用しない」ということです。 思考よりももっと、深いところにある、『それ』を信頼することです。 思考を嫌悪したり、どこかに追いやってしまう必要はありませんが、思考を信用しないことです。

昨日、何が本物であるのかということを、どなたかがお話しくださいましたが、 パパジはこのように表現なさいました。 『本物とは、変化しないものだよ。』

そうです。真実は、現れたり消えたりしません。 変化するものは、真実ではありません。 私たちは、全く逆に考えていますね。椅子やテーブルや、人や、感情といったものを、本物だと考えています。 しかし、それらは消えてなくなることがありますね。

現れたり、消えていったりしないもの、それは何でしょう。 それこそが、信頼するに足るものです。それ以外に、真実はなにもありません。

というわけで、

が解決策というわけであります。

何か他の対話と同じだし、『The Power of Now』に書いてあった内容に似ていますが、 症状?が同じため解決策が同じなのは当然のことで、 こっちではこういう解決策、あっちではああいう解決策とバラバラでは話になりません。

逆にいえば、

「教祖様を信仰しなさい」「お布施を寄越しなさい」 「××メソッドをおこないなさい」 「『理想』を思い浮かべて良い気分になりなさい」

などという解決策は全部幼稚なインチキなので、 皆さん騙されないようにしましょう。

ここまで長々と書いても 「そんな難しいこと言われても何をどうすれば良いのか分からない!!」 「私は引き寄せで理想を実現してキラキラ☆ハッピーになりたいんだ!!」 などという声があるかもしれませんが、

そんなことを言っているのは誰なのか気付けば良いし、

「何をどうすれば良いか分からないまま」「理想が実現しないまま」 お手上げ状態になると、上記の対話の通り、死に直面することができ、 そこで死ぬのは一体何なのかが分かるでしょう。

※もちろん、理想を追求するのは別に悪いことじゃないので追求すればいいのだけど、 アレクサンダー大王、始皇帝、ナポレオン、毛沢東やスターリン等々、 どんな権力者だろうが「理想」通りになった人間は一人もいないのが分かるだろう?

以上、今回はここまで。

正しい選択をする方法に続く。

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