悟りを生きる:解説『悟りを生きる』

前回の記事:振り子と非分離性

今回でいよいよ最終回。

本書の総括としては、

まぁ悪くはないのだけど『ニューアース』『The Power of Now』 『Stillness Speaks』『ガンガジとの対話(これはサイトだが)』等の方が読みやすいし、 私にはしっくりくる

ということになってしまいました。

こんな文句ばかり言ってたら誰もネタ本を勧めてくれなくなるので困る(困らんけど)ので、 「大変面白うございました」「ためになりました」と言いたいのですが、 嘘は吐けないタチなので仕方ないね。

次回は別の方からヘルメスジャンプの『それは在る』という本を勧められているので、 それを読む予定だったのですが、既に読んでしまい、 その結果が酷いことになったのは書いた通り。

上から目線で言わせていただくと、 他人に勧めるのなら、もっとちゃんとした本、 魂を揺さぶられる本(映画も)を勧めてくださいと思ってしまうのですが、 何に魂を揺さぶられるかなんて人それぞれでしょう。

10章:見つからないものの探求

そんなわけでラス前の10章。

同じくラス前だったニューアースの9章の如く、 著者とジョーなる人物の対話が書かれているのですが、 ニューアースに比べてイマイチ説得力に欠ける内容となっております。

※内容としては達磨大師の 「恐怖を消してやるから私の前に出してみなさい」という問答みたいなの。

そんな対話はともかく、本章ではここに来て「UI」なるメソッドが登場いたします。

UIというのは「unfindable inquitry」の略で、

  1. 独立して存在していると思うものの名を1つ挙げる。
  2. 「これが本当に独立しているのだろうか?」と徹底的に追求してみる。

という手順なのですが、 ハッキリ言ってこんなメソッドは不要であります。

こんな思考ばかり使って何の効果もないメソッドやるのなら、 サンカラやラマナのように「Who Am I?」と自分自身に問いかけたり、 ただ呼吸を観察した方が良いし、

そもそもの話、 「このメソッドをやれば『いつか』ワンネスを体験できるんだ」 「ワンネスを体験できたら幸せになれるんだ」 などと思い込み、効果ゼロの馬鹿みたいなメソッドに飛びつく、 その腐った根性に気付いた方がよろしい。

これは本書に限らず、引き寄せとか全てのメソッドに当てはまることで、 自分に合わなきゃさっさと止めろ、傍から見れば滑稽極まりない、 ということでございます。

11章:悟りを生きる

いよいよラストの章でタイトル回収。

冒頭に「この章は準備のできた人だけ読んでくだち!!」 などと勿体ぶったことが書いてあるのですが、蓋を開けてみれば

「中道とは離辺のことです」 「空とは諸法無我のことです。なので全ては空です」

など、仏教をかじったことのある日本人ならば 知ってるようなことが書かれております。

散々引っ張っておいてこの結論かよとズッコケてしまうのですが、 西洋人には物珍しい思想なのでしょう。

※仏教といえば、いきなり話は変わるが、 現代の日本で「オレは無宗教だ無神論者だ〜宗教なんて信じない〜」 と何の考えもなしに言うのがいたら、 99%は本当の無宗教や無神論者などではなく、ただの無教養なマヌケであるから、 そういう人間を選別できるという点では宗教というものは充分役立っていると思う。

あとは、以前も書いたかもしれんけど、 仏教や禅の思想といったものが共産主義というカルト教一色の中国や 科学教拝金教肩書教まみれの日本ではなく、 キリスト教圏の欧米で色々と発展しているというのは、 まるでギリシアの自然科学が暗黒時代の欧州でなく、 イスラム世界で発展したみたいだなと思ってしまいました。

以上、

ということで、今回は終わり!

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