前回の記事:第6章八節から九節
今回から第7章。
実のところ、私はこの7章が一番好きで、 それは初めて本書を読んだときから変わっておりません。
また、今だから分かるけど、この7章の内容(7章に限らず8章9章10章も同じだが)は、 頭で「よ〜し、この通りにやっていくぞ!」なんて考えてやろうとしても到底実践できるものでなく、
色々なことに気付いていく中で自然と実践できるようになる、 というのが本当のところであります。
まずこれ。
「私は何者か」という問いに大して、多くの無意識に囚われた人間は 「自分は○○だ」と、いとも簡単に答えるという話。
もちろん、この○○には、名前、経歴、職業、肩書、身体の状態等が入り、 それが「本当の自分自身」なのかどうかは、これまで散々述べてきた通り。
また、「私は魂です」「私は源です」「私は全体です」「わ、私は…変態ですん…」
なんて知った風な口をきく人間も、
大抵はどこかで聞きかじった概念を思い出して述べているだけで、
それは自分自身の周りで蠢く思考に過ぎない、
名前や経歴や職業を答えるのと全く同じだというのは当節にある通り。
じゃあ自分自身とは一体何なのかというと、これも当節にある通りで、
「自分のマインドの中で迷子になる代わりに『今に在る』に根を下ろすこと」 「思考でグチャグチャ考えずに『存在』を感じること」
なのですが、これを言葉で表現し、かつ他人に理解させることができるのなら、 ブッダやイエスもそうしているだろうし、 その確実な方法も文章で記録されているのでしょうが、
言葉で表現しきれないから、 古からの名著や本書、ひいてはこんなサイトで延々と文章でもって表現せざるを得なくなっており、 殆どの人間がそれらを読んでカン違いし、思考でもってアレコレ考え、 結果エゴを肥大化させる羽目になっているのであります。
お次は、私が初めて本書に出会ったときからお気に入りの節。
抜粋して解説しようにも、重要な箇所は当節全部となるのですが、 敢えて抜粋してみると、
- 「私は魂です」「私は豊かでハッピーです」などと思い込もうとしても、 何らかの出来事や状況や他人に対して怒ったり恐れたりするならば、その思い込みは大嘘。 実際は魂でも豊かでもハッピーでもない「小さい自分」である。
- 本当に自分を「魂」「豊かでハッピー」だと考えているなら、 挑戦的な人々や状況に直面しても反応せず、静かにただ観察していれば良い。
- 状況に抵抗するのでなく、白隠禅師のように即座に状況を受け入れ、状況と一つになればよい。 そうすれば観察の中から自ずと答えは出る。
- 自分自身についての見方が狭く限られていて自己中心的であるほど、 他人についても自己中心的で限界のある無意識な部分にばかりが気になり、そこに反応する。
- 「他人の気に食わない部分は自分の中にもある」と気付けば、 自分のエゴが分かってくるし、「自分が他人からされていることは、 実は自分が他人にしていることだ」と分かって、被害者気取りの物語が終わる。
- 私はエゴではないので、エゴに気付いたからといって自分を知ったことにはならない。 「自分ではない」と分かっただけ。
- ただ、自分ではないものを知れば、本当の自分自身を知る上での障害が取り除かれていく。
- 誰も「私が何であるか」を教えてくれない。誰かが教えてくれるのは概念や信念だけで、私を変える力は無い。
- 本当の私には信念も必要ない。それどころか、信念はどれも邪魔になるだけ。 認識すら必要ではない。「私はすでに私」であるから。
と、簡潔にまとめようにも、まったく簡潔になりません。
要するに、「私は幸せです」「私は豊かでハッピー☆です」などと何千回何万回と繰り返したり、 無理矢理思い込もうとしてみても、エゴの概念に概念を上塗りしているだけであり、
お釣りを少なく渡された、欲しいものが品切れだった、 列に割り込まれた、ババアと罵られた等の小さなことで腹を立てていたのでは、 実際はその程度の「小さい人間」であり、幸せや豊かさとは程遠い、ということで、
「世界は必ず私にとって大事なことを突きつけてくるので、 『私は○○だ!』と信じているつもりでも、その誤解は長くは続かない。 特に『難題』が生じたとき、人々や状況にどう反応するかで、 私がどれだけ深く自分を知っているかが暴露される」
と本書にある通りです。
じゃあどうすれば良いのかというと、 「その程度の小さいことで腹を立てたり恐れている自分自身に気付く」
これを重ねていると、今までと同じような頭にくる状況や他人に遭遇しても 「あれっ?いつもなら腹立てる場面だよなぁ…何で怒りが湧いてこないの?」 と、以前と異なり穏やかになっている、状況と一つになっている自分に気付くわけであります。 (どんな原理でそうなるのかは知らない。ただの私の体験談)
当節と次節については実践できれば大いに効果あるので、 興味ある人は読めばよろしい。
まぁ冒頭で述べた通り、 頭で考えて実践しようとして実践できるものでなく、 自然とできるようになるのだけど。
以上、今回はここまで。
第7章三節から四節に続く。
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