山梨に左遷、ゴーストタウン甲府の巻 仕事と東大からブラック企業への道6

前回の記事:転職失敗で精神崩壊、左遷の巻

大学時代は京王線を使って通学していたので、 よく電車の中で京王バスの「新宿—甲府間2,000円」という広告は見かけていました。

その広告を見て、甲府に行ってみようかと思ったこともありましたが、 「どうせ東京から近いんだし、甲府も都会なんだろう」と思い、 都会に住んでいるのに都会に行ってもどうしようもないということで、行かなかったのです。

そして、山梨に引越しが決まった時、 私はジャスコ(現在のイオン洛南)でママチャリを一台購入しました。

グーグルマップで見ると、何だか田園風景が広がっているっぽいし、 この風景の中を自転車でノンビリ走りたいと考えたからでした。

ああ勘違い

この時点で、私は大きな勘違いをしていました。

1つは甲府が都会だということ。 もう1つは、山梨で生活していくのに自転車で事足りると思っていたこと。

しかし、自身のそんな勘違いに気付くわけもなく、 静岡駅というショボい駅で新幹線を降り、 身延線という何ともいえない電車に乗り換え、甲府を目指したのでした。

ゴーストタウン甲府

身延線という崖っぷちを走る電車に揺られていると、 鰍沢(かじかざわ、最初読めなかった)を過ぎた辺りから、 日が落ちて薄暗くなってきました。

それとともに、私の心の中も段々薄暗くなり、言いようのない不安が込み上げてきました。

甲府駅に到着したのは19時頃でした。

改札を抜けエスカレーターを降り、甲府の町とご対面!

瞬間、手荷物を落として固まってしまいました。

あまりにショボすぎる!なんで!?東京の近所なのに! これ…デパートかよ??京都伊勢丹と全然ちゃうやん!! というか、夜なのに人少なすぎィ!!

こんな思いが次々と私に襲い掛かってきたのです。

混乱した頭のまま、私は宿泊先である東横インへ向かったのです。 チェックインして部屋に入り、気分を落ち着かせたところで、 夕食がまだだったので外へ食べに行くことにしました。

ところが夜の8時前には、甲府の町にある殆どの店が閉まっているのです。 その様はまるでゴーストタウンでした。

本当は「吉田うどん」というものを食べたかったのですが、 なかなか見つからず、1時間くらい徘徊した後、 蕎麦屋(奥京の甲府駅前店)を見つけてそばセットを食べました。

そばを食べながら「こりゃあ、左遷というより島流しだな…」 などと考えてしまいました。

菅原道真は京都→福岡でしたが、私の場合は京都→山梨という、 菅原道真公なら即憤死というような状況に置かれていたのです。

それでも、本社のブラックさ加減から逃げられたことは大変嬉しく、 帰りにファミリーマートで信玄餅を買い、宿に戻りました。

自転車だと死ぬ  山梨の自転車事情

翌日、甲府から竜王まで電車で移動し、 会社が借りたアパートまでタクシーで行きました。 甲府もいいかげん田舎だったのですが、 竜王は名前こそ大層なのにさらに物凄い田舎でした。

「とんでもない田舎に来てしまったな」というのが第一印象でしたが、 周囲の山々を見渡すと、今まで見たことないほど自然が綺麗で「ああ〜、心が洗われる〜」という感じになりました。

そんなこんなで、引越しの荷物を受け取って部屋を整理した後、 自転車で買い物に出かけたのですが…

道が狭い!山梨の道路って、何であんなに貧相なのですか? しかも舗装もお粗末だし。貧乏県だから? 数キロ走っただけで、何度も車に轢かれそうになりました。

坂が多い!地図で見たときは平地だと思ってたのに… 急な坂道ばかりなのです。 競輪の選手じゃあるまいし、何でこんな辛い思いを…

寒い!!!10月下旬だったのですが、日が落ちるとメチャクチャ寒くなりました。 しかも風が強いし、スーパーに到着した頃には、 あまりの寒さに涙と鼻水ですごいことになっていました。

というわけで、山梨で自転車生活をするのは1日で断念しました。 拳銃を買おうとしていた金を車の購入に充てることにしました。

そして、車なんて高校卒業後に免許をとってから 1度も乗っていなかったので、韮崎駅近くの教習所(歩いて20分)に通い、 1日講習を受けたのでした。

山梨で転職失敗、ついにドン底のブラック企業に転落に続く。


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